Friday, November 30, 2012

おもしろい言葉

あ、今日は微妙に音楽のお話ではありませんが。

あはれっておもしろい言葉です。

便利なWikiで調べると。。
・折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、しみじみとした情趣や哀愁。
・日常からかけ離れた物事(=もの)に出会った時に生ずる、心の底から「ああ(=あはれ)」と思う何とも言いがたい感情。

以下は『言の葉庵』より抜粋させて頂きます。
http://nobunsha.jp/blog/post_42.html

本居宣長『石上私淑言』
「ある時は喜しく、ある時は悲しく、又はらだたしく、又よろこばしく、或は楽しくおもしろく、或はおそろしくうれはしく、或は愛しく、或はにくましく、或は恋しく、或はいとはしく、さまざまにおもふ事のある、是即ち物のあはれをしる」

本居宣長は「見る物聞く事なすわざにふれて情(ココロ)の深く感ずる事」を「あはれ」と言うのだと述べている。つまり揺れ動く人の心を、物のあわれを知ると言うのだ。歌や物語もこの心の動きがもとになる。たとえば、宣長が高く評価した『源氏物語』も、「この物語、物の哀れを知るより外なし」と言っている。文学はそのような人間の本性に根ざしたものであり、そこに存在価値があるとした。
 (以上『言の葉庵』http://nobunsha.jp/blog/post_42.html

平安時代以後は、多く悲しみやしみじみした情感、あるいは仏の慈悲なども表すようになったようです。

私たちは現実を手に入れて人生を幸せにしてゆくことが勿論大切です。
ですがなかなかどうにも動かない大きな流れに抗うことができずに、もがき苦しみ続ける事も人生にはあると思うのです。自分を含めたこの世に、もののあはれを感じ見る事ができれば、自らの苦しみも少し楽になり生きるおかしさを味わえるのでしょうか。とてもおもしろい言葉がありましたね。

音楽でさえいざ知らず、言葉に関してはとても深くは語れません。
「あはれ」と「をかし」は非常におもしろい言葉とだけ言えます。
おもしろい言葉といえばブラジルのサウダージなどありますが、言葉にできない感情を表すという点でどこか共通するのでしょうか。ブラジル人と日本人は似ているという人もいます。ミナス地方の音楽などは日本人にもとても共感できる美しさがあるような気がします。

平安時代はもっとも芸術文化が洗練発達した時代といわれていますが、現実が容易に手に入らない昔の人は想像力が非常に高く、繊細な美意識も発達していましたね。

自分も、もっともっと深く心で音世界を求めてゆきたいですね。

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